食後にうがいや歯磨きをしなければ、口臭が出てしまうのは仕方がないことですが、「口臭の元」となる汚れの根源は、実は歯よりも舌の方に付いていることをご存知でしたか?
ご自身の「舌」を鏡でご覧になられたことは今までにあるでしょうか?
舌の上に白や黄色のものが付着している、そのものを「舌苔(ぜったい)」と言います。
舌苔のすべてが悪者ではありませんが、口臭の原因になりうるものになります。
もくじ
1.舌苔を観察してみよう
舌苔(ぜったい)をふき取って観察
舌の表面には、白い苔のような舌苔(ぜったい)と呼ばれるものがあります。これは、口の中の細菌や、新陳代謝によってはがれた上皮細胞などが舌の表面に付着したものです。口内洗浄を怠ったり、胃腸の調子が悪い時、口呼吸などで口が乾いた状態、ドライマウスが続いたときなどにできやすくなるものです。
舌苔は通常だれにでも多かれ少なかれあるものなので、完全除去はできませんし、口腔内の細菌バランスを保つことに役立っていることもあるので、むやみに取り除くことはNGです。
注意ポイント
週一回くらいの目安で、やわらかめの歯ブラシやガーゼを指に巻きつけたものなどで優しくこすってみましょう。
こすることは絶対NG!あくまで優しいタッチを心がけてね!
舌苔とは
・細菌・・・・・口の中の細菌が舌の溝に入り込んで溜まり、白っぽく見える。
・上皮かす・・・舌の表面が角質化し、上皮が剥がれて溜まったものが白く見える。
・食べかす・・・食べかすが舌の細胞の間にのこり、舌苔になることがあります。
2.舌苔ができる原因
舌苔の主な原因とは「細胞の死骸・脱落した粘膜上皮細胞・タンパク質」が細菌によって分解されると口臭の原因になる発揮性硫黄化合物物質を発生させることに原因があります。
原因① 口呼吸
睡眠中にぽかんと口を開けて呼吸してしまっているかも!?気づかぬうち、無意識のうちに口呼吸していることってあるかもしれませんね。また季節によりアレルギーや風邪などで鼻が通りづらい時なども、つい口呼吸になってしまっているかもです。
口呼吸をすると舌苔が出やすくなってしまうのです。口の中はいつも唾液で濡れているものですが、口呼吸をされている方は、口の中が乾燥しやすく、知らず知らずのうちに舌の汚れが自然には落ちていかないため、舌苔ができてしまっています。
このような方は要注意
- 気づくといつも口が開いている
- 朝起きたとき喉がカラカラになっている
- 鼻がつまりやすい
- 口が乾きやすい
- イビキをかきやすい
原因② 唾液が少ない
唾液には口の中に住み着いた多くの細菌を洗い流す大切な役割があります。唾液が減ると汚れや細菌が舌に溜まりやすく、舌苔がきてしまう原因になります。また、慢性的な疾患や病気により唾液の量が減っているときは舌苔ができやすくなります。
唾液が少なくなると細菌を洗い流す力がなくなり、細菌が増殖してそれが発酵することにより口臭が強くなってしまいます。
よく噛んで唾液を増やそう
食事の際、よく噛むことで口の周りの筋力をきたえることにより、衰え気味だった唾液の分泌を促してくれます。できたら噛みごたえのある食べ物などは、一口に30回ほどをよく噛んで食べてみよう。
唾液腺マッサージを行う
耳下腺、顎下腺、舌下腺の3か所に唾液腺があり、そこで唾液がつくられています。その中でも奥歯の少し上あたりにある耳下腺ではサラサラした唾液が作られます。
ポイント 人差し指から小指までの4本の指を頬の内側を伸ばすように、左右の頬を指でゆっくり優しくぐるぐる回しながらマッサージを数回おこなってみよう。
お口体操をする
口を閉じて黙っている時間が多いと、口臭予防としてはよくありません。唾液を出しやすくするためには、唇や舌を動かすことが大切です。なので、リラックスして会話を楽しむ、ということも唾液を促すためには良いこと。
一人で黙っている時間が多いときは、お口体操をしてみましょう。
ポイント
口の中で舌先を歯の内側をなぞるように舌を一周ぐるりと動かす。左右両方周りを数回づつ行う。
原因③ 舌の運動の機能低下
舌の動きが少なくなると舌苔が出てきやすくなります。特に寝起きのときは、いわゆる生理的口臭といわれる口臭がします。なぜなら睡眠中は舌の動きが悪く、唾液量も少なくなるために舌に汚れが溜まってしまうからです。
老化や病気により、舌の機能が低下したり、動きがにぶくなると、いっそう舌の表面に汚れがついたまま落ちにくくなり、舌苔が多くなってしまいます。
3.自分ですぐ出来る予防策はコレ!
口臭には様々な原因がありますが、その原因として舌についた白い苔(舌苔ぜったい)が大きな理由となってしまっていることを述べてきました。
予防策① 口臭予防に最適なことは、口腔内を清潔にすること
冒頭で、「舌苔の観察をしてみよう」の記述にて、ガーゼを指に巻いて舌をこすってみる方法を紹介しました。週1回くらいの割合であくまで優しく丁寧にこすってみてください。
または、舌専用のブラシで舌をこすり、舌苔を除去してみましょう。くれぐれもやりすぎには注意を払ってくださいね。
予防策② 歯磨き+マウスウォッシュで菌を寄せつけない
毎日の歯磨きの後にマウスウォッシュを使って、口の中を抗菌うがいすることにより、舌もついでにゆすいでしまう。簡単な日々のエチケットにおいて舌苔を除いてなおかつ予防の効果を期待できます。
予防策③ ガムを噛んで唾液を増やす
舌苔ができる要因として、「唾液が少ない」ということを上記で述べてきました。ガムを噛んで良い状況の時は、この「ガムをかむ」という単純な方法で唾液の分泌量を増やすとともに、口の中をリフレッシュできる、さわやかなキシリトールタイプがおすすめです。
ガムをかむことで舌を動かし、そして舌の上で転がすことにより、舌の掃除をすることが目的です。舌が掃除されると、唾液の分泌が促進されます。
食べかすの残り、90%が舌などの粘膜に、そして残り10%が歯のすき間などに残ると言われています。
「口臭がする」というのは、つまり「舌がにおう」ということ。上記の方法を一度試してみてください。
予防策④ キウイフルーツを食べる
キウイフルーツを食べるのも、舌苔の除去に効果があります。キウイフルーツに豊富に含まれるアクチニジンという酵素が、舌苔を分解、除去してくれるのです。皮をむいて輪切りにしたキウイフルーツを舌の上に乗せて、30秒ほど転がしてから食べてみてください。タンパク質を分解する成分アクチニジンが舌のすみずみまでいきわたり、舌苔を除去する効果が高まります。
まとめ:口臭の原因!舌苔を除去して息を改善する4つの予防策
口臭は誰もが気になるもので、特に他人の口臭は非常に気になるものですねよね。「他人のフリ見て我がフリ直す」という言葉がありますが、他人を見て気づいたこと、そんな私はどうなのだろうか!?ということに改めて気づかされるというもの。歯は毎日みがいているけれど、舌は気にしたことなかったわ。という方は、今回のこの「舌苔(ぜったい)」という口の中のニオイの根源でもあるものに注目してみてくださいね。
舌苔の原因や改善方法、そして4つの予防策を述べてきました。舌苔の取りすぎはよくありませんが、ご紹介してきたように、ガーゼで軽くぬぐう、マウスウォッシュを改めて活用してみる、キシリトールガムを噛んでみる。唾液の分泌をよくするため(口臭をなくすため)楽しく会話に励む。お口体操をするなど、いろいろと口臭改善に役立つ提案を述べてきました。